「こんなモノまで売れるんだ大賞2026」編集部が選ぶ、今年最も衝撃的だった買取品ベスト3

「所長、今年もいろんなモノ見てきましたね」

研究所の若い研究員に、そう声をかけられた。気づけば2026年も半分が過ぎ、7月に突入している。「現代モノ価値研究所」所長の珍田だ。この図鑑を始めてから、押入れの奥、倉庫の隅、閉業したサロンの片隅と、いろんな現場に立ち会ってきた。

そこで今回は趣向を変えて、研究所の総力を挙げた特別企画をやろうと思う。その名も「こんなモノまで売れるんだ大賞2026」。上半期にこの図鑑で取り上げてきた査定案件の中から、所長が独断と偏見で選ぶ「最も衝撃的だった買取品」をベスト3形式で振り返る。

まだ年の途中だ。だからこれは「暫定王座」だと思ってくれ。下半期にもっとぶっ飛んだ案件が出てくれば、この順位はいつでも入れ替える。それが研究所のスタンスだ。では、さっそく発表に移ろう。

「こんなモノまで売れるんだ大賞2026」って何だ?選考基準を先に明かしておく

ランキングを発表する前に、選考基準をはっきりさせておきたい。俺は感覚だけでモノを語る鑑定士じゃない。基準は次の3つだ。

  • 査定額そのもののインパクト(金額の桁が想像を超えているか)
  • 「これが売れるのか」という常識のねじれ度(業界構造としての意外性)
  • 読者からの反響の大きさ(コメントや問い合わせの熱量)

この3つを掛け合わせて、研究所として「これは殿堂入りだ」と判断した3品目を選出した。それぞれ、なぜランクインしたのかも合わせて解説していく。

ちなみに、選考にあたって研究員一同でかなり揉めた。「アイドルグッズの推し活市場3.5兆円という数字もインパクトあるだろう」「いや、ビジネスフォンの罰則の話の方が実務的にゾッとする」と、会議室では毎回、こんな調子で意見が割れる。最終的には所長の一存で決着させたが、選外になった品目も後ほど「次点」として紹介するので、そちらも見逃さないでほしい。

第3位:フォーデイズの核酸ドリンク、賞味期限切れでも売れるという常識破り

第3位に選んだのは、フォーデイズの「ナチュラルDNコラーゲン」、通称・核酸ドリンクだ。

720mlのガラスビン入りで会員価格9,950円というこの健康飲料、金額のインパクトだけで言えばランキング上位2品には遠く及ばない。だが所長がこれを選んだ理由は、金額の大きさじゃない。「賞味期限切れの食品が、それでも買取対象になる」という、読者の常識をひっくり返す衝撃度の高さだ。

査定額をおさらいしておこう。

状態買取価格の目安
新品未開封・賞味期限6か月以上3,000円〜4,500円
新品未開封・賞味期限1か月未満500円前後
賞味期限切れ50円〜100円程度(買取する業者は限定的)

賞味期限切れで50円から100円。金額だけ見れば「そんなものか」と思うかもしれない。だが、ここで押さえておきたいのは「賞味期限」と「消費期限」は法律上まったく別の概念だという事実で、食品衛生法では賞味期限切れ食品の販売そのものは禁止されていない。業者間取引や海外輸出という「第二の人生」ルートがあるからこそ、値段がつくわけだ。

MLM特有の「タイトル維持買い」やオートシップ制度によって強制的に積み上がっていく在庫、いわゆる「黒い箱」現象。この構造そのものが、今年上半期に読者から一番反響が大きかったテーマの一つだった。

研究所に寄せられた相談の中には、「亡くなった母親の押入れから、未開封のビンが大量に出てきた」というものもあった。本人が望んで抱えた在庫ばかりではない、という点も含めて、所長としては数字以上に印象に残った案件だ。だからこそ、堂々の第3位に選出した。

第2位:業務用美容機器、閉業ラッシュが生んだ「まさかの80万円」

第2位は、美容室やエステサロンで使われていた業務用美容機器だ。

2025年の美容室倒産件数は235件、エステ業の倒産も過去最多水準というデータを紹介したが、この閉業ラッシュこそが業務用美容機器の買取市場を活性化させている元凶であり、恵みでもある。

査定額を振り返ると、こうなる。

機器カテゴリ買取相場(目安)
業務用脱毛機50,000円〜800,000円
痩身機(ハイパーナイフ)80,000円〜500,000円
キャビテーション・RF複合機30,000円〜250,000円
シャンプー台・ユニット20,000円〜150,000円

業務用脱毛機で最大80万円。「産廃費用だけで軽自動車が買えた」と嘆いていたオーナーが、実は独立を夢見る若手美容師や、東南アジアの海外バイヤー、美容専門学校といった買い手からすれば「宝の山」だったという構図が、読者にとって最も意外だったポイントだろう。

特に印象的だったのは、リース契約が残っている機器を勝手に売ると契約違反になるという「見落としがちな罠」の話だ。所有権の確認という地味な手続きひとつで、査定額どころか法的トラブルの有無まで変わってくる。この「知らないと損する」実務的な緊張感も、ランクインの決め手になった。

さらに言えば、買い手が「独立を夢見る若手オーナー」「東南アジアの現地サロン」「美容専門学校」という3方向にまたがっていた点も興味深い。同じ1台の機械が、国内では独立資金の少ない若手を助け、海外では技術格差を埋め、教育現場では実習教材になる。1台の中古機器が、これほど多方向に価値を発揮する事例は、この図鑑でもそう多くない。

第1位:ブリキのロボットとソフビ怪獣、688万円という桁違いの衝撃

そして堂々の第1位は、昔のおもちゃ、つまりブリキのロボットとソフビ怪獣だ。これはもう、他の追随を許さない圧勝だった。

まず数字を振り返ってほしい。

メーカー・機種取引価格
ヨネザワ コマンダーロボット(箱付き美品)約688万円
野村トーイ 電動リモコン鉄人28号 No.5約750万円
マルサン製ガラモン(破損あり)約501万8千円
ブルマァク製ゴロー約198万円

押入れの奥から出てきた「ただの古いおもちゃ」に、桁が3つも4つも違う値段がつく。しかも、ガラモンは破損ありの状態で501万円だ。「動かない」「汚れている」「壊れている」は、価値がない理由にはならないという事実を、これほど鮮烈に見せつけてくれた案件は他になかった。

なぜここまで高騰するのか。理由は2020年以降のビンテージソフビ相場の5倍高騰、そして「Japanese Tin Toy」として世界的なブランドになっている海外コレクターの存在だ。日本のブリキ玩具の輸出額は昭和23年の約3億2200万円から昭和50年には340億円まで膨らんだという歴史もある。戦後日本が世界に誇った輸出品が、令和の今また海を越えて買い戻されている構図は、研究所としても胸が熱くなる話だった。

金額のインパクト、常識のねじれ度、読者の反響、この3つすべてで頭一つ抜けていた。文句なしの第1位だ。

余談だが、この案件を扱ったとき、研究所の若手研究員が真顔でこう聞いてきた。「所長、うちの実家にも似たようなロボットの人形があった気がするんですけど、もう捨てちゃったかもしれません」。その瞬間の彼の顔を、俺は一生忘れないだろう。この記事を読んでいる君の実家に、まだそれが残っていることを、心から願っている。

次点:惜しくもランク外だったが見逃せない3品目

ベスト3を発表したところで、選外になった品目にも触れておきたい。研究所として「これも十分に衝撃的だった」と評価している次点候補だ。

  • アイドルグッズ(うちわ・ペンライト):推し活市場3.5兆円、人口1,384万人という社会現象級の背景を持つ。単価こそ数百円から数千円が中心だが、「まとめ売り」で数万円に化ける事例が多く、社会的インパクトの大きさで最後まで1位候補に残っていた
  • ニュースキンの「ageLOC Me(genLOC Me)」カートリッジ:本体だけでなく消耗品のカートリッジ単体に、本体とセットで20,000円〜35,000円という値がつく。「消耗品なのに値がつく」という珍しさで研究所内では根強い人気があった
  • 型落ちのビジネスフォン:主装置1台で最大30,000円、リース満了時の「所有権」を巡る法律論点が実務的に濃かった一品。産業廃棄物として不法投棄すると法人で3億円以下の罰金という怖さも印象的だった

いずれも、詳しくは本ブログの過去記事で解説しているので、気になった品目があればぜひそちらも読んでみてほしい。所長としては、この3品目もいつか順位が入れ替わって表舞台に上がってくる可能性は十分あると見ている。市場というのは生き物だ。今日の次点が、明日には堂々の1位になっていても、俺は驚かない。

ランキングから見えてきた「モノの価値」を決める3つの法則

ここまで3品目を振り返ってきたが、並べてみると共通する法則が浮かび上がってくる。研究所として、これを言語化しておきたい。

  • 供給が止まった瞬間に価値が生まれる(核酸ドリンクのオートシップ在庫、美容機器の閉業、ブリキ玩具の生産終了、いずれも「もう作られない」ことが価値の源泉になっている)
  • 「誰が」欲しがるかで価格の桁が変わる(海外バイヤー、独立志望の若手、世界のコレクター、それぞれ全く違う理由でモノを欲しがっている)
  • 常識を疑うと宝が見える(賞味期限切れ、閉業した店の機械、壊れたおもちゃ、どれも「もう無価値」という思い込みを裏切っている)

この3つの法則は、この図鑑で今後取り上げる商材にも、ほぼそのまま当てはまる。読者の皆さんが押入れや倉庫を整理するとき、ぜひ思い出してほしい。

上半期のリユース市場、実は日本全体でも「宝の山」化している

ここで少し視野を広げておこう。個別の商材だけでなく、日本全体のリユース市場そのものが、実は静かに拡大を続けている。

リユース経済新聞が発表した「リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)」によると、2024年のリユース市場規模は前年比4.5%増の3兆2628億円に達し、2009年以降15年連続で拡大しているという。中でも玩具・模型カテゴリは前年比9.2%増の2779億円で、まさに今回の第1位で紹介したブリキ・ソフビブームと符合する動きだ。

環境省もリユース市場規模調査報告書を毎年公表しており、リユース市場の拡大を国の資源循環政策の一環として後押ししている。「もったいない」を経済に変える動きは、もはや一過性のブームではなく、日本社会全体の構造的な変化になりつつあるということだ。

一般社団法人日本リユース業協会も、2030年には市場規模4兆円に達すると見込んでおり、業界団体としてもこの成長を後押ししている。押入れの整理を手伝ってくれる業者一社一社の背後に、これだけの規模の産業が広がっているわけだ。

俺たちが日々扱っている核酸ドリンクやブリキのロボットも、この大きな潮流の中の一滴に過ぎない。だが、その一滴一滴に、確かな物語と価値が宿っている。

査定に迷ったら、まず聞け。相談窓口という選択肢

ここまで読んで、「うちにも似たようなモノが眠っているかもしれない」と思った人もいるだろう。オンラインでの宅配査定はもちろん便利だが、実物を見せながら相談したいという人には、実店舗を構えている買取窓口という選択肢もある。

たとえば神戸エリアであれば、完全予約制で来店できるレブロ神戸店のような窓口もひとつの候補だ。家電やiPhone、電動工具、閉店在庫まで幅広く相談できる店舗もあるので、「これ、どこに聞けばいいんだ」と迷ったときは、まず近場の窓口に一声かけてみるのも手だろう。

もちろん、今回紹介したブリキ玩具やMLM製品のように、専門性の高いジャンルは専門業者にあたるのが鉄則だ。だが「そもそも何から手をつけていいか分からない」という段階なら、まずは総合的に相談できる窓口で状況を整理してもらう、というのも十分にアリな選択だと所長は思っている。

まとめ

「こんなモノまで売れるんだ大賞2026」上半期版、いかがだっただろうか。最後に、今回のポイントを振り返っておく。

  • 第3位はフォーデイズの核酸ドリンク、賞味期限切れでも買取対象になるという常識破りの一品
  • 第2位は業務用美容機器、閉業ラッシュの中で最大80万円という査定が飛び出した
  • 第1位は昔のおもちゃ、ブリキのロボットとソフビ怪獣で、688万円という桁違いの取引実績があった
  • 3品目に共通するのは「供給停止」「需要者の多様性」「常識のねじれ」という3つの法則
  • 日本全体のリユース市場も3兆円を超えて拡大を続けており、個別の商材はその大きな潮流の一部にすぎない

君の家にも、まだ見つかっていない「大賞候補」が眠っているかもしれない。下半期も、研究所は目を光らせておく。押入れの奥、倉庫の片隅、次にどんな衝撃が飛び出すか、俺自身も楽しみにしている。

ゴミという言葉は、価値を見出すことを諦めた者の言い訳だ。今年後半も、その言い訳を一緒にぶっ壊していこう。

珍田 所長

「現代モノ価値研究所」所長の珍田だ。君の目の前にあるソレ、まさかゴミ箱に捨てようとしてるんじゃないだろうな?
ちょっと待て。その判断、5分だけ待って、この記事を読んでからにしろ。俺の研究所にはな、君たちが「ゴミ」と呼ぶモノが山ほどある。だが、俺に言わせれば、そいつらは皆、次の主を待っているだけの「お宝」だ。会社の倉庫の片隅でホコリをかぶった機械も、実家の押入れで眠るガラクタも、元カノにもらった指輪も、な。この図鑑は、そんな「声なきモノたち」の価値を、俺が代わりに叫んでやるための記録だ。驚く準備はいいか?君の常識が、今日、ぶっ壊れるぞ。

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