挫折した「エレキギター」、弦が錆びていてもOK?音が出ないジャンク品の価値

「現代モノ価値研究所」所長の珍田だ。

今日はな、俺の研究所に山ほど持ち込まれる相談のなかでも、特に多い案件について話す。それが「挫折したエレキギター」だ。

世界的ギターメーカーのフェンダー社が行った調査によると、ギターを新しく始めた人の90%が1年以内に挫折しているそうだ。10人始めたら、1年後にまだ弾いているのはたった1人。残りの9人のギターは、押入れの奥か、クローゼットの隅か、物置の暗闇で静かに眠っている計算になる。

つまりだ。日本中の家庭に、膨大な数の「挫折ギター」が眠っているということだ。弦は錆び、ホコリをかぶり、もしかしたらアンプにつないでも音すら出ないかもしれない。

……で、あんた、まさかそれを「粗大ゴミ」として処分しようとしてないか?

ちょっと待て。その判断は、あんたが人生で犯す最大級の「もったいない」になるかもしれないぞ。

この記事では、弦が錆びていようが、音が出なかろうが、ネックが反っていようが、そのエレキギターにどんな価値があるのかを、元リサイクルショップ「珍宝堂」店主であり、ガラクタの価値を見抜くことにかけては右に出る者がいないこの俺が、徹底的に解説する。読み終わるころには、あんたの「ゴミ」に対する認識が、根底からひっくり返っているはずだ。

あんた、まさかそのエレキギターを捨てようとしてないか?

ギター挫折率90%の裏側にある「宝の山」

さっきも言ったが、ギターの挫折率は異常に高い。Fコードの壁、弦を押さえる指の痛み、思うように弾けないもどかしさ。理由は人それぞれだが、結果として大量の「使われなくなったエレキギター」が市場の外で眠り続けている。

ここで冷静に計算してみてほしい。

日本国内のエレキギターの年間出荷本数は、アコースティックギターも含めると数十万本規模だ。そのうち90%が1年以内に使われなくなるとすると……毎年、数十万本単位で「挫折ギター」が生まれていることになる。これが何十年も積み重なっているんだ。

つまり、日本の家庭には数百万本規模の「眠れるギター」が存在している可能性がある。そして、その多くが「どうせ売れないだろう」と思い込まれたまま放置されている。

俺に言わせれば、これは途方もない「宝の山」だ。

「音が出ない=ゴミ」は素人の発想

正直に言おう。「エレキギターは音が出てナンボ」「壊れたギターなんてゴミでしょ?」——そう思っている人が圧倒的に多い。

だが、それは楽器の中古市場を知らない素人の発想だ。

楽器の世界では、壊れていても価値があるのが常識なんだ。楽器専門の買取業者は、音が出ないギターでも普通に買い取る。なぜなら、彼らにはそのギターを「お金に変える方法」がいくつも見えているからだ。

リサイクルショップの店員にはわからない。だが、楽器のプロには、そのボロボロのギターが「宝」に見えている。この違いを、今から詳しく説明しよう。

なぜ壊れたエレキギターに値段がつくのか?プロが教える5つの理由

壊れたエレキギターに値段がつく理由は、大きく分けて5つある。これを知れば、あんたの「まさか売れるわけない」という思い込みは完全に崩壊するはずだ。

修理して再販できる

楽器専門の買取業者には、リペアマン(修理技術者)が在籍していることが多い。音が出ないギターでも、原因が配線のショートや断線であれば、パーツ代と工賃を合わせて5,000〜10,000円程度で修理できる。修理後は正常品として再販できるため、業者にとってはむしろ「安く仕入れて利益を出せるおいしい商品」なんだ。

一方で、リサイクルショップにはリペアマンがいない。壊れたギターをそのまま店頭に出すしかないから、「買取不可」「無料引き取り」になりがちだ。ここに、持ち込み先を間違える人が大損する構造がある。

パーツ取り用として需要がある

これは一般の人が最も見落としているポイントだ。エレキギターは、実に多くのパーツに分解できる楽器なんだ。

  • ピックアップ(音を拾うマイクのようなパーツ)
  • ペグ(弦を巻くパーツ)
  • ブリッジ・サドル(弦を支えるパーツ)
  • ポット・スイッチ(音量や音色を調整するパーツ)
  • ナット
  • ボディ・ネック本体

これらのパーツには、それぞれ単体で市場価値がある。特にヴィンテージのピックアップは、ギター愛好家の間で高値で取引されている。オールドGibsonのピックアップなんかは、それだけで数万円の値がつくこともある。

ジャンクギターのパーツ取りのために、リサイクルショップを巡回する愛好家がいるくらいだ。あんたの壊れたギターのパーツが、誰かのギターを蘇らせる「臓器」になる可能性は十分にある。

ヴィンテージ・コレクション価値

ヴィンテージギターの世界では、演奏できる状態であることは必須条件ではない

コレクターにとっては、そのギターが「いつ」「どこで」「誰のために」作られたかというストーリーこそが価値なんだ。音が出なくても、1960年代のFenderや1970年代のGibsonであれば、骨董品としての価値がある。

実際に、使用感があり演奏が難しい状態の1960年代製Fender デュオ ソニックが51,500円で売れた実績もある。壊れていてもヴィンテージなら数万円〜10万円以上の査定がつくことは珍しくない。

初心者の練習用・カスタムベース

中古のギターには常に一定の需要がある。これからギターを始める人が、最初の1本として安価な中古品を探すケースは多い。

また、自分でパーツを交換したり配線を組み直したりして、オリジナルのギターを組み上げることを趣味にしている人も少なくない。こういう人たちにとって、ジャンクギターは最高の「素材」だ。安く手に入るほど嬉しいわけだから、壊れていることがむしろメリットになる。

インテリア・ディスプレイ需要

おしゃれなカフェやバー、美容室に行くと、壁にギターが飾ってあることがあるだろう? あれ、全部が弾ける状態とは限らない。

インテリアとしてのギターの需要は確実に存在する。特にヴィンテージ感のある見た目のギターは、飾るだけで空間の雰囲気をガラッと変えてくれる。音が出なくても、見た目が良ければ売れるんだ。

症状別で見る「ジャンクギター」の買取可能性と価格目安

ここからは、あんたのギターの「症状」に応じて、買取の可能性と価格への影響をまとめてみた。以下の表を参考にしてくれ。

症状買取可否価格への影響備考
弦が錆びている◎ ほぼ問題なしほぼ減額なし弦の張り替えは数百円の消耗品
ホコリ・汚れ◎ 問題なし軽微な減額軽く拭くだけで印象UP
音が出ない(配線不良)○ 買取可能やや減額修理費5,000〜10,000円程度
ガリ音・ノイズ○ 買取可能やや減額ポット交換等で修理可能
ネックの反り○ 買取可能軽微〜中程度の減額トラスロッドで調整可能なら軽微
フレットの消耗○ 買取可能軽微な減額中古では理解されやすい
ネック折れ△ 条件付き大幅減額ブランド次第で値がつく
ボディの割れ・大きな破損△ 条件付き大幅減額パーツ取りとして買取の可能性
トラスロッド回りきり△ 条件付き大幅減額大規模修理が必要

弦が錆びている → ほぼ心配無用

はっきり言おう。弦の錆びは、買取価格にほとんど影響しない。

ギターの弦は消耗品だ。新品でも数百円〜2,000円程度で交換できる。買取業者も当然それを理解しているから、弦が錆びているだけで大幅に減額されることはまずない。

むしろ注意すべきは、弦を全部外した状態で査定に出すことだ。弦が張られていないと、ネックの状態を正確に判断できず、動作確認もできない。結果としてジャンク品扱いになるリスクが高まる。錆びていても、弦は張ったまま査定に出すのが鉄則だ。

音が出ない → 原因次第で十分買取可能

音が出ないエレキギターは、確かにリサイクルショップでは「ジャンク品」と一括りにされがちだ。しかし、楽器専門店なら話は全く違う。

音が出ない原因の多くは、内部配線のショートや断線、ジャックの接触不良など、比較的簡単に修理できるものだ。楽器の買取屋さんのサイトでも「ピックアップが生きていれば、配線の断線は問題ない」と明記されているケースがある。

楽器高く売れるドットコムによると、音が出ない場合でも配線のショートや断線が原因であれば修理可能として買取対象になる。あんたが「音が出ないから」と諦めるのは、まだ早い。

ネック折れ → それでも値段がつく世界がある

ネック折れはギターの故障のなかでも深刻な部類に入る。だが、エレキギターの多くはボディとネックが別パーツになっている。つまり、ネックを交換すれば使える可能性がある。

また、ネックが折れていてもボディやピックアップなどの他のパーツが無事であれば、パーツ取りとしての価値は十分にある。特に人気ブランドのギターであれば、ネック折れの状態でも数千円〜数万円の査定がつくことがある。

実は今が売り時?ジャパンヴィンテージの価格高騰という追い風

もしあんたの実家の押入れに、1970年代〜1980年代に買った国産のエレキギターが眠っているなら、今すぐこの章を読んでくれ。あんたが思っている以上に、そのギターの価値は上がっている可能性がある。

70〜80年代の国産ギターが世界で注目されている理由

「ジャパンヴィンテージ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

1970年代から1980年代にかけて、日本のギターメーカー(グレコ、トーカイ、フェルナンデス、アリアプロ2など)が製造したエレキギターが、今、世界中で再評価され、中古市場の価格が高騰しているんだ。

Vintage Guitar Lifeの解説によれば、当時の日本メーカーはFenderやGibsonのギターに憧れ、試行錯誤を重ねながら独自の製法でギターを製造した。その結果、それぞれが独自のサウンドを持つことになり、今では「本家とは違う魅力」として多くのギターファンを惹きつけている。

価格高騰の背景には、以下の要因がある。

  • YouTubeなどのSNSを通じて、海外のギターマニアにジャパンヴィンテージの存在が広まった
  • アジア圏(韓国、中国)やアメリカの市場で「高品質で手頃なヴィンテージ」として人気が急上昇
  • 海外バイヤーが日本国内の中古品を買い漁り、国内在庫が減少
  • 楽器に使われる高品質な木材の不足と価格上昇により、当時の木材で作られたギターの希少性が増した

「うちにあるグレコ、トーカイ」が驚きの査定額に化ける

具体的な話をしよう。

数年前まで3〜5万円程度で取引されていたグレコのレスポールモデルが、今では10万円を超える価格で売られているケースが出てきている。トーカイの上位機種(LS120以上のモデルなど)に至っては、当時の新品価格を超える価格で取引されることも珍しくない。

ヤフオクのデータを見ると、ジャンク扱いのエレキギターの平均落札価格は約49,000円。なかには、日本製のアイバニーズがジャンク品でありながら301,000円で落札された例もある。GibsonのSGジャンク品が233,000円超で落札された実績もある。

あんたの親父さんが若い頃に買ったグレコやトーカイ、「どうせ安物のコピーモデルでしょ」と思っていたら大間違いだ。今こそ、その価値を確認すべきタイミングだ。

挫折ギターを最も高く売るための鉄則

ここからは、実際に挫折ギターを売る際に「損をしないための鉄則」を伝授する。これを知っているかいないかで、査定額が数千円〜数万円変わることもあるから、しっかり頭に叩き込んでくれ。

鉄則①:リサイクルショップには持っていくな

これは声を大にして言いたい。ジャンクギターをリサイクルショップに持ち込むのは最悪手だ。

リサイクルショップにはギターのリペアマンがいない。そのため、壊れたギターは「そのままの状態で売るしかない」という前提で査定される。結果として、「買取不可」か「無料引き取り」か、せいぜい数百円の査定にしかならないことが多い。

一方、楽器専門の買取業者であれば、修理して再販できるかどうか、パーツにどれだけの価値があるか、ヴィンテージとしての希少性はどうかなど、多角的に評価してくれる。同じギターでも、持ち込み先を変えるだけで査定額が10倍以上変わることは珍しくない。

鉄則②:自分で修理するな

「音が出ないから、売る前に自分で直しておこう」——この考えは危険だ。

ギターの修理は専門知識と技術が必要で、素人が手を出すと状況を悪化させるリスクがある。特にトラスロッド(ネックの反りを調整する機構)を限界まで締めてしまうと、ネックが折れてジャンク品扱いになるケースがある。

そもそも、修理費用を差し引いた買取価格と、ジャンクのまま売った買取価格を比較すると、修理せずにそのまま売った方が手元に残る金額が多いというケースも少なくない。下手に手を加えず、そのままの状態で専門業者に見てもらうのが最善だ。

鉄則③:弦を外すな

先ほども触れたが、これは本当に重要だから繰り返す。

弦が錆びていても、絶対に全部外して査定に出してはいけない。弦がない状態だと、ネックの反り具合の確認や動作チェックができず、正確な査定ができない。その結果、本来の価値よりも大幅に低い価格を提示される可能性がある。

錆びた弦でもいい。張ったまま出せ。

鉄則④:付属品を探し出せ

買取査定で意外と差がつくのが、付属品の有無だ。

  • 純正ハードケース(年代物のケース自体に価値がある場合も)
  • メーカー保証書
  • トレモロアーム
  • カスタムショップ発行の認定書
  • 六角レンチなどの付属工具

特に高額ギターの場合、ハードケースや認定書の有無で数千円〜数万円の差が出ることがある。押入れの奥、クローゼットの中、引き出しの隅。心当たりがあるなら、今すぐ探し出してくれ。

鉄則⑤:複数社に査定を出せ

これは買取の基本中の基本だが、1社だけの査定で決めるな

買取業者によって販路や買取基準が異なるため、同じギターでも査定額に大きな差が出ることがある。最低でも2〜3社に査定を依頼し、比較した上で売却先を決めるべきだ。

今は多くの業者がLINE査定やWeb査定に対応しているから、写真を送るだけで概算の見積もりが取れる。手間は最小限で済む。

どこに売る?ジャンクギターの売却先比較

では、具体的にどこに売るのがベストなのか。主要な選択肢を比較してみよう。

売却先ジャンク対応査定の精度手軽さ手数料向いているケース
楽器専門買取業者◎ 専門知識あり無料が多いブランドギター、ヴィンテージ
ハードオフ△ 店舗によるなし安価なギター、すぐ売りたい
メルカリ△ 自己責任販売手数料10%相場を把握している人
ヤフオク落札手数料ありレア品、入札で高値を狙いたい
不用品回収×(処分扱い)費用がかかる絶対に避けるべき

俺のおすすめは、まず楽器専門の買取業者に査定を依頼することだ。理由は単純で、ギターの本当の価値を正しく評価できるのは、楽器の専門知識を持った査定員だけだからだ。

メルカリやヤフオクは、自分で価格を設定できるメリットがある反面、トラブルのリスク(到着後のクレーム、返品要求など)や、梱包・発送の手間がかかる。エレキギターのような大型で繊細な商品は、送料だけで3,000円程度かかることもある。

ハードオフは持ち込むだけで手軽だが、楽器専門店と比べると査定額が低くなりがちだ。ただし、他のどこにも買い取ってもらえないような低価格帯のギターでも、無料引き取り〜3,000円程度の査定がつくことがあるので、最後の選択肢としては悪くない。

まとめ

今回の研究結果をまとめよう。

挫折して押入れに眠っているエレキギター。弦が錆びていても、音が出なくても、ネックが反っていても、そのギターには価値がある可能性が高い

壊れたギターに値段がつく理由は、修理して再販できること、パーツ取りとしての需要があること、ヴィンテージとしてのコレクション価値があること、そして初心者の練習用やカスタムベースとしての需要があることだ。

特に、1970〜80年代の国産ギター(グレコ、トーカイ、フェルナンデスなど)は「ジャパンヴィンテージ」として世界的に価格が高騰しており、今がまさに売り時と言える。

売る際は、リサイクルショップではなく楽器専門の買取業者に持ち込むこと。自分で修理せず、弦も外さず、付属品を揃えて、複数社に査定を出すこと。この鉄則を守るだけで、査定額は大きく変わる。

最後に、俺からひとつだけ。

あんたがギターを挫折したこと自体は、何も恥ずかしいことじゃない。90%の人が同じ道を歩んでいるんだ。だが、そのギターの「次の人生」を台無しにするのは、あんたの責任だ。

ゴミという言葉は、価値を見出すことを諦めた者の言い訳だ。

そのギター、捨てる前に一度、プロに見せてやってくれ。きっと、あんたが想像もしなかった「第二の人生」が待っているはずだ。

珍田 所長

「現代モノ価値研究所」所長の珍田だ。君の目の前にあるソレ、まさかゴミ箱に捨てようとしてるんじゃないだろうな?
ちょっと待て。その判断、5分だけ待って、この記事を読んでからにしろ。俺の研究所にはな、君たちが「ゴミ」と呼ぶモノが山ほどある。だが、俺に言わせれば、そいつらは皆、次の主を待っているだけの「お宝」だ。会社の倉庫の片隅でホコリをかぶった機械も、実家の押入れで眠るガラクタも、元カノにもらった指輪も、な。この図鑑は、そんな「声なきモノたち」の価値を、俺が代わりに叫んでやるための記録だ。驚く準備はいいか?君の常識が、今日、ぶっ壊れるぞ。

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